神社のお祭り&日本三大祭り

 10/23/2017 : 113 Views

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五穀豊穣と平和を祈る日本の儀式

「まつり」という言葉は、古代から存在する日本語の古語です。1世紀ごろ(弥生時代)、中国から漢字が伝わると、「まつり」に「禱」「纏」「祀」「祭」などの漢字があてられました。政治を「政(まつりごと)」と呼ぶことがありますが、これは古代日本で祭祀を司る人と政治を司る人が一緒になった「祭政一致」の政治体制がとられていた時の名残りです。2000年以上もの長い間、お祭りは日本人の生活や文化に深く関わってきました。 現在の日本で行われるお祭りは神社の祭事が主流です。神社のお祭りは、その場所に鎮まる神様に神饌(しんせん)を捧げて奉仕すると共に、五穀豊穣や、国と地域の平和、発展を祈るという目的で行われ、民間信仰や仏教などの習俗の影響を受けたものが多く見られます。今回の特集では、お祭りの種類や日本三大祭りなど、神社のお祭りに焦点を当ててご紹介したいと思います。

 

1年に20万回以上も行われているお祭り

日本全国にある神社の数は約8万8000社で、仏教のお寺の数、約7万7000寺を上回っています。全ての神社で行われるお祭りの総回数は、小規模なものも合わせると1年間に20万回以上といわれています。

東京三社祭・浅草浅草寺(Shutterstock)

 

伊勢神宮のお祭りは1年で1500回

神社では、通常1年に2〜4回のお祭りが行われますが、三重県にある伊勢神宮では、年間約1500回ものお祭りが斎行されています。  

伊勢神宮では、神嘗祭のような大きなお祭りの他、毎日、朝と夕方の2回、主祭神の天照大御神を始めとした複数の神様に食事をお供えする祭りが行われています。

伊勢参宮名所図会(1797年)よる内宮の正宮(Wikipedia)

 

お祭りの種類

神社で斎行されるお祭りは、内容や時期によって異なる名前が付いています。

 

●日供祭(にっくさい)  

人間が毎日食事をするように、神さまにも日に2回お供え物を食べてもらうと共に、氏子や崇敬者の安寧を祈願するお祭りです。伊勢神宮で行われる日供祭は「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」「常典御饌(じょうてんみけ)」と呼ばれ、外宮の御饌殿(みけでん)で神さまたちに神饌をお供えするというものです。  江戸時代以前は、日本人の1日の食事の回数は朝夕の2回でした。その名残で、神様の食事は今も朝夕2回なのです。

●月次祭(つきなみさい)  

毎月、国と氏子の安泰を祈願する目的で斎行されるお祭りを「月次祭」といいます。多くの神社で、1日か15日に行われています。

●例祭(れいさい)  

神社で行われる最も盛大なお祭りを「例祭」といいます。年に1〜2回、その神社の祭神と関係がある日や、神社が創祀された日などに行われ、「例大祭」と呼ばれることもあります。神さまを称え、国と氏子の平和と繁栄、五穀豊穣などが祈願されます。2月に行われる祈年祭、11月に行われる新嘗祭と共に、神社における三大祭りの一つとされています。  境内では相撲や流鏑馬(やぶさめ)、御神楽、獅子舞などの神事が催され、参道には出店が並び、大勢の人々で賑わいます。例祭で行われるお神輿行列は「神輿渡御(みこしとぎょ)」といい、いつもは本殿にいる神様がお神輿に遷され、氏子の町々を巡るという祭事です。

●歳旦祭(さいたんさい)  

元日の早朝、1年の平安を祈念して行われるお祭りを「歳旦祭」といいます。歳は年、旦は日の出を意味します。

●祈年祭(きねんさい)  

「としごいのまつり」ともいわれ、毎年2月27日に斎行されるお祭りです。祈年祭の「年」は「稲の稔り」という意味。この祭りでは、穀物の豊作と共に、国の平和を祈ります。古来から、日本は稲作を始めとした農業によって繁栄してきたため、神社のお祭りでも五穀豊穣が祈願されてきました。  現在は、五穀豊穣に加え、他の産業の繁栄も祈るお祭りとして、多くの神社で行われています。

 

<MEMO>

稲は「命の根」という意味でイネといい、米は「穀物の霊(みたま)が込められている」という意味でコメといいます。

 

●神嘗祭(かんなめさい)  

「神嘗祭」は、毎年10月17日に伊勢神宮で斎行されている盛大な祭りです。天皇が手ずから作った新穀を始め、全国の篤農家が奉納した新米をお供えして神さまに食べてもらい、米の稔りと収穫に感謝します。また、天皇の勅使が持ってきた皇室からの幣帛(へいはく)がお供えされます。このお祭は20年毎に「大神嘗祭」と呼ばれます。

 

【お祭り用語(1)幣帛(へいはく)】

幣帛は、神道の祭祀で神様にお供えするものの総称です。「帛」は布という意味ですが、これは古代の日本で、当時貴重品だった布がお供えものの中心だったことを示しています。

 

●新嘗祭(にいなめさい)  

毎年11月23日に行われ、米を始めとする農作物の収穫を感謝するお祭りです。新嘗は「新饗(にいあえ)」ともいい、「新」は新穀、「饗」はご馳走を意味します。新嘗祭は古くから行われており、『古事記』と『日本書紀』には「天照大御神が高天原で新嘗祭を執り行った」という記述があります。新嘗祭の日の皇居では、深夜にわたって、天皇が天神地祇(てんしんちぎ)に新穀を勧めて自分も食べるといった祭りが奉仕されます。  

また、天皇が即位後に初めて執り行う新嘗祭は「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれます。全国の神社では、新穀の収穫、農業その他の産業への感謝と発展が祈願されます。11月23日の休日、勤労感謝の日は、この新嘗祭に由来しています。

 

<MEMO>

『古事記』は、奈良時代、文官だった太安万呂(おおのやすまろ)が編纂し、712年(和銅5年)に元明天皇に献上されました。『日本書紀』は720年(養老4年)に完成した日本最古の正史です。

 

●大祓(おおはらえ)  

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